パリから2時間、レンヌへ現代アートの旅

フランスの強みは、地方でも現代アートの施設が充実しているということ。
今回ご紹介するのは、パリから2時間程度のRennes(レンヌ)。
そこに、Fracブルターニュ(Fonds Régional d’Art Contemporain : Frac=フラック、フランスの現代アートのための地方基金)があります。以前別記事でご紹介したパリにあるLe Plateauもフラックの施設の一つです。


今回展示されていたフランス人アーティストNicolas Floc’h(ニコラフロック)は、写真、彫刻、インスタレーションと様々なメディアを合わせて一つのシリーズを展開していました。

世界各地の海底に沈んでいる人口物、建築物の写真。アーティストによると、戦後から1980年代まで、世界中で海底探索と海底都市の計画が進められたそうです。大量の写真の数にも圧倒されますが(日本の近海の写真がとても多いのも印象的です)、空間に敷き詰められた彫刻もい圧巻です。写真に収められた建築物を、ミニチュア版として制作した彫刻が同時に展示されています。この展示室の写真、モノクロのようですが実際にこのような色彩です。彫刻の間を歩くこともでき、鑑賞者が海の中にまよいこんだような気分になる不思議な空間です。

もうひとつのレンヌの現代アートでマストなスポットは、La criée(ラ・クリエ;もともと魚市場だった建物なので)というアートセンターです。

クリエのおもしろい特徴は、アーティストが展覧会場である場内で滞在制作をするという点。私が訪問した時には、Yann Sérandourというアーティストの展示が行われていました。
会場に入った瞬間目に飛び込んでくるこのインスタレーションを見るだけだと、少しとまどってしまうかもしれません。親切なマダムが、ここでクラブサンの演奏会を実際やるんですよ、○日に来られますか?と冊子を渡してくれた。実際の録音レコードを聞けるというのでかけてもらうことに。

別室に入ると、なぜピンとこなかったのかしっくり来る。クラブサンの中身がごっそり分解されてしまっていたから。レコードを聞きながらだと、空間と時間、二つに親密につながっているはずの音、すべてがバラバラになってしまっているかんじ。
展覧会場には、マダムの説明を聞かないと知るすべもないような偶然が散りばめられていて、その会話による糸をたどる感じがとても居心地がよく、こういう嫌な意味の含まれていない不合理な感じがアートのおもしろいところだな、と思ったのでした。

レンヌは小さな街ですが、アートと本場のクレープを食べるにはもってこいの場所でした。

Nicolas Floc’h «Glaz»
アドレス:Frac Bretagne
期間:9月22日-1月21日
開館時間:10:30-18:30 (金曜日のみ21:30まで)
閉館日:展覧会期間中は無休
料金:無料
ホームページ:http://www.museemaillol.com/

La criée centre d’art contemporain Rennes
アドレス:
開館時間:展覧会によって随時異なる
料金:無料
ホームページ:http://www.criee.org/?lang=en