一夜限りのミッドナイトミュージアム Nuit des musées — chassé et de la nature(狩猟自然美術館)

ヨーロッパ中の美術館が真夜中0時まで開館しているNuit des muséesに行ってきました!と言っても、出発が遅くなってしまい、結局Musée de la chasse et de la nature(狩猟自然美術館)だけ行くことに、、けれど、この美術館のプログラムがめちゃくちゃおもしろくて、行って良かった!とすごく思ったので記録しておきます。

 ローマ帝国時代のアプレイウス作「黄金のロバ(変容)」の中で綴られている「クピドとプシュケー」をテーマに、6つのパフォーマンスが演じられていました。
自らの姿をロバに変えられてしまった主人公ルキウスが、様々な人の手に渡りながら、エジプトの女神イシスによって姿を戻してもらうというお話。
「クピドとプシュケー」は、普通の人間であるプシュケーと、女神アフロディーテの息子エロス(クピド)の愛のお話。
人間と、人間でないもの(人間でない動く生き物)、身体の変形や社会的な身体のあり方など様々な観点から演じられたパフォーマンスたち。
美術館に入ってすぐにある中庭では、繭のような形をしたスカルプチャーと、蝶の羽を模した布をまとった女性と、チェロの生演奏のパフォーマンス。私は、成虫が蛹の孵化を待ちわびる気持ちを表現しているのかな〜と思ったけれど、蛹と蝶の間にある変体を想起させている、とも考えられます。
館内に入り、2階に上がると目に飛び込んでくるのがこの動物人間に扮したパフォーマー。動物のファーのジャケットパンツ一枚の彼の周りには、動物の頭部の被り物やガラクタが散乱しています。それらのオブジェをもてあそびながら、詩のような、酔っ払いの文句のような語りを繰り広げて(管を巻いて?)いました。詩は残念ながらよく理解できなかったけど、人間、男、女、動物、もしくは人間ではない生き物などの違いについて、それが本当に区別のできるものなのか?ということを話していました。
次の部屋では、ウサギの耳(かわいい)をつけた二人の女性が、全身を黒いヴェールで覆いながら、身体の前にかけているメッセージボードを見せたり隠したりするパフォーマンス。
ボードには、”Do women have to be naked to get into the Met. Meuseum ?”や”Your body is a battleground”などの文面が。特に新しさを感じられる訳ではないけど、無言でヴェールを上下に上げ下げするので、鑑賞者を立ち止まらせることができます。押し付けてこない、フェミのある種のパワフルな圧力がなくて(そのパワフルな表現がすばらしい時ももちろんある)良かったです。
次はこのやたらと巨大なオブジェクト。何かわかりにくいけど、実はこの中に人が入っていて、その人の呼吸によって、手前にセッティングされている羽がほんの少しだけ揺れる、もしくはまったく揺れない、というもの。
人間が静物として展示するためにヴェールで隠しているのかなと思ったけど、呼吸というのは見えないけど生き物のサインとも言えます。
このように、Nuits des muséesでは、一夜かぎりのプログラムを体験することができたり、普段の展覧会を無料もしくは格安で見れたりします。(この時も、同時にRoger BallenとHans Lemmenが共同制作した作品の特別展を見れてとっても満足!)ただ、定番の大きな美術館は待ち時間必須なので、こういう小さな美術館でパフォーマンスやコンサートなどの特別プログラムを見るのがおすすめです!