Roger Ballenと Hans Lemmenのコラボレーション«Unleashed»

然狩猟美術館で開催中の超おすすめの展覧会は、南アフリカの写真家Roger Ballen(ロジャー・バレン)とオランダのHans Lemmen(ハンス・レマン)の共同制作による«Unleashed»(解き放たれる、という感じでしょうか?)。

ロジャー・バレンの作品を2015年のKYOTOGRAPHIEでご覧になった方も多いのではないでしょうか?南アフリカの貧困地域に移り住み、リアルな住人たちの表情を写しながらもアーティスティックなポートレイトは強烈な印象を残しました。アパルトヘイト崩壊後、経済の流れに取り残されてしまった白人ゲットーの重々しい空気を隠すことなくさらけ出した写真は圧巻でした。

Take off, 2012

ハンス・レマンはオランダのドローイング作家です。
ロジャー
・バレンとのコラボレーションの影響でこういう風に見えるのかしら?と思ったけど、ハンス・レマンの作品もなかなかヤバいです。エコロジストと聞くとつい人間と自然が仲良しでハッピーというイメージが浮かびますが、彼が傾倒しているのは有史以前の自然の偉大さとのことです。人間と動物が共存する(一緒に生活するというよりは、同じ世界にいるという意味合いです)世界を描いています。
とにかくドローイングがめちゃくちゃ良い。書いている対象が美しいというよりは、色と線と構図がしびれるくらい良い!

写真とドローイングという異なるメディア、二人の制作のコンセプトは必ずしも一致しませんが、二人の作品を見ていると、人間も動物なのだと思わされます。動物は家畜や下等な生き物ではなく、人間と同じ被写体として映し出されています。人間の尊厳と思われているような知性とか優位性みたいなものが完全に消えています。ただの動物としての人間の姿を見ているような気分。

オランダと南アフリカという距離を超えて、それぞれの作品を交換してコラージュしあうのもロマンを感じます。
下のビデオは短いですが、アーティストが各々の意図を的確に語っています。

本当は、言葉が必要ないくらい強烈でメッセージが強い作品です。
見ただけで分かる作品に巡り会えるのは貴重なのでとても嬉しかったです。
6月4日までと終了間近ですが、ぜひ!

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«Unleashed»
2017年3月7日 – 6月4日
Musée de la chasse et de la nature
Métro 1番 Hôtel de Villeもしくは11番 Rambuteau
火-日曜日11:00-18:00(水曜日のみ21:30まで)
月曜日休館
8€
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